
世界遺産・熊野古道を歩く
巡礼の道「熊野古道」
スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路と同様、“道”として世界遺産に登録される「熊野古道」。京の都から大阪・和歌山を経て田辺に至る「紀伊路」、さらに田辺から熊野本宮を経て那智・新宮へ至る「中辺路」などさまざまなルートがあります。
熊野古道(くまのこどう)とは、和歌山・三重・奈良にまたがる山間部に張り巡らされた、熊野三山へと続く参詣道の総称です。近年は「世界遺産」「巡礼の道」として知られる一方で、「結局、熊野古道って何?」「どこを歩く道なの?」と疑問に思う人も多いかもしれません。
この記事では、熊野古道とは何かという基本から、なぜ世界遺産に登録されたのか、どんな道があり、どう楽しめばいいのかまでを、歴史初心者にもわかりやすく解説します。
熊野古道とは?
熊野古道とは?

古代より深い信仰の集まる熊野三山へつながる巡礼道を総称して「熊野古道」と呼びます。
2004(平成16)年7月、ユネスコ世界文化遺産に「紀伊山地の霊場と参詣道」として登録されました。
熊野古道にはいくつかルートがあり、それぞれ「中辺路(なかへち)」や「大辺路(おおへち)」など名前がつけられています。
熊野古道は誰のための道だったのか
熊野古道は、特定の身分だけの道ではありませんでした。
平安時代には、天皇や上皇が行う「熊野詣」が盛んになり、やがて武士や庶民にも広がっていきます。
「蟻の熊野詣(ありのくまのもうで)」と呼ばれるほど、多くの人が列をなして熊野を目指したとも伝えられています。熊野古道は、身分や立場を超えて、人が祈りを胸に歩いた道だったのです。
熊野古道の目的地「熊野三山」
「熊野本宮大社」「熊野速玉大社」「熊野那智大社」を「熊野三山」と呼びますが、三社はそれぞれ異なる自然崇拝に起源を持ちます。
熊野詣は「よみがえりの旅」といわれており、熊野速玉大社は“過去”、熊野那智大社は“現在”、熊野本宮大社は“未来”を司ります。
三社を巡る中で自己と向き合い、新たな自分に生まれ変わることができるのです。
熊野古道が世界遺産になった理由
熊野古道は、2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録されました。
評価された理由は、単に道が古いからではありません。
- 千年以上にわたり使われ続けてきた巡礼の道であること
- 神道・仏教・修験道が融合した独自の信仰文化が残っていること
- 自然の地形を活かし、人が「歩く」ことで成り立つ道であること
こうした点から、熊野古道は人の営みと自然が共存してきた文化的景観として、世界的に価値が認められました。
熊野古道ウォーキングプラン
熊野古道にはどんなルートがある?
熊野古道は一本の道ではなく、いくつものルートの総称です。
代表的なものには、次のような道があります。
- 中辺路(なかへち)
平安貴族や上皇たちが歩いた、最も有名なルート - 伊勢路(いせじ)
伊勢神宮から熊野へ向かう東側の道 - 大辺路(おおへち)
紀伊半島の海沿いを進むルート - 小辺路(こへち)
高野山と熊野を結ぶ険しい山道
それぞれ距離や雰囲気が大きく異なり、
「どの熊野古道を歩くか」で体験はまったく変わります。
1、発心門王子〜熊野本宮大社中辺路エリア
神域の入り口となる「発心門王子」から熊野本宮大社まで歩く中辺路の王道コース!
歩行距離7.5kmで所要時間は2.5時間です。
2、大門坂〜熊野那智大社 中辺路エリア

大門坂を通り、熊野那智大社と那智山青岸渡寺を目指す初心者向けコース。歩行距離は約2.5km、所要時間は約1時間です。
3、熊野速玉大社・神倉神社エリア


熊野速玉神社と神倉神社を参拝する新宮エリアコース。近くには海の見える熊野古道「高野坂」もあります。

