三戸町(さんのへまち)は青森県の南部、岩手県との境近くにあります。
青森県南部地方の南端に位置する三戸町(さんのへまち)は、かつて奥州街道の宿場町として栄えた歴史ある町。
城跡や神社仏閣、古い町並みに加え、「11ぴきのねこ」ゆかりのスポットや老舗の味も楽しめます。
今回は、青い森鉄道に揺られて訪れた三戸町を、のんびり歩きながら巡ってきました。
三戸町の地名の由来は?「戸」は牧を意味する
三戸町の「戸」という字は、この地域の牧場を意味する古語に由来します。
古くは南部氏の勢力下で、馬の飼育や交易の拠点として発展。三戸の「三」は、周囲にあった「一戸」「二戸」と並び、三番目の牧場集落だったことを示しているといわれています。
今も町を歩くと、馬にちなんだ歴史や文化を感じられる場面が随所にあります。
三戸町へのアクセス!青い森鉄道に乗ろう

三戸町の玄関口は、青い森鉄道「三戸駅」。
八戸駅から約25分、盛岡駅からは新幹線と接続して1時間半ほどでアクセス可能です。駅前には観光案内所があり、マップやパンフレットを入手できます。今回は駅から徒歩で、町の中心部へ向かいました。
至るところに「11ぴきのねこ」のまち

町を歩くと、あちこちに青い猫のキャラクターが!これは三戸町出身の絵本作家・馬場のぼるさんの代表作『11ぴきのねこ』をモチーフにしたまちづくりの一環です。
商店の看板やマンホール、バス停などにも描かれ、町全体がまるで絵本の世界のようです。
三戸郵便局は「11ぴきのねこ」ファン御用達!

郵便局好き、キャラクター好きにはたまらないのが三戸郵便局。
局舎の外壁にも猫たちが描かれており、限定の風景印やオリジナルグッズも販売されています。ファンの間では、ここで郵便物を出すこと自体が旅の目的になるほど。


国重要文化財の「三戸城跡公園」に登城

町の高台に位置する「三戸城跡公園」は、戦国時代に南部氏の本拠地だった場所。
現在は公園として整備され、春には桜の名所としても知られています。本丸跡からは三戸の町並みが一望でき、かつての城下町の面影を感じられます。城門や土塁跡も見学でき、歴史好きには外せないスポットです。

三戸大神宮で2ひきの巫女さんがお出迎え?

三戸町の総鎮守である三戸大神宮は、伊勢神宮の分霊を祀る格式高い神社。
境内には猫のモチーフが散りばめられ、運が良ければ地元で話題の“巫女猫”が参拝客を出迎えてくれるかもしれません。静かな空気の中で、旅の安全を祈願しました。
小山田せんべい店で「南部せんべい」食べ歩き

南部地方名物といえば「南部せんべい」。
小山田せんべい店では、焼き立ての南部せんべいを販売しています。素朴な味わいは歩きながら食べるのにぴったりです。
手作りの南部せんべいを食べたのは生まれて初めてで感動しました!


予約必須の「割烹白山」で穴子丼or海鮮丼!

ランチは地元で評判の「割烹白山」へ。
特に名物の穴子丼は、ふっくらとした穴子と甘辛いタレが絶妙で、旅のハイライトになる一品です。海鮮丼も人気で、三戸近海や八戸港で水揚げされた新鮮な魚介がたっぷり。休日は予約必須です。
国登録文化財「佐滝本店」大正生まれの現役社屋

大正時代創業の老舗酒屋「佐滝本店」は、国登録有形文化財に指定される歴史的建物。木造のレトロな外観と、店内に並ぶ地酒や地元産ワインが旅情を誘います。お土産選びにもおすすめです。



観福寺には最古の「白虎隊供養塔」がある?!

会津若松で知られる白虎隊ですが、実は三戸町の観福寺には日本最古とされる白虎隊供養塔があります。戊辰戦争の歴史がここ三戸にもつながっていることを知ると、東北の歴史の奥深さを感じます。


夜は居酒屋「あんべ」で逸品をいただく

夜は地元で人気の居酒屋「あんべ」へ。南部地方の郷土料理や、季節の魚介料理が楽しめます。地酒との相性も抜群で、旅の疲れを癒やすひとときです。
ちなみに店名の「あんべ」とは方言で「行こうよ」というような意味があるとのこと。少しニュアンスは違うかもしれません。
宿泊は三戸駅前の老舗旅館「清水屋旅館」さんで

宿泊は三戸駅前の「清水屋旅館」。
昭和の香りが残る落ち着いた雰囲気で、女将さんの温かいもてなしが魅力です。

三戸町は歴史と文化のレイヤー重なるまちでした!

三戸町は、奥州街道の宿場町としての歴史、「11ぴきのねこ」による文化的魅力、そして美味しい食や温かな人々が共存する町でした。
観光スポットはコンパクトにまとまっているので、徒歩でも十分に楽しめます。歴史好きも、キャラクター好きも、食いしん坊も、きっと満足できるはずです。
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