「神宮」とは?伊勢神宮だけじゃない“神宮”の意味と由来を解説

「神宮とは?伊勢神宮だけじゃない“神宮”の意味と由来を解説」 歴史・文化
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「神宮」と聞いて真っ先に思い浮かべるのは伊勢神宮かもしれません。

しかし、日本全国には伊勢神宮以外にも多くの「神宮」が存在します。神宮は一般的な神社や大社とは異なる格式や役割を持ち、日本の歴史や皇室との関わりを知るうえで欠かせない存在です。

この記事では、神宮の意味や由来、そして全国にある代表的な神宮を紹介します。

神宮とは?

伊勢神宮|三重県伊勢市

神宮とは、皇室と特に深い関係を持つ神社を指します。

伊勢神宮のように皇祖神・天照大御神を祀るものや、歴代天皇や皇族を祭神とするものが多く、国家的にも重要な意味を持つのが特徴です。

古代から、日本の正史(『日本書紀』『古事記』など)には、「神宮」と称される社名がごく限られた重要な神社にしか用いられていませんでした。たとえば、『日本書紀』には伊勢神宮・石上神宮が記され、『延喜式神名帳』(平安時代に成立した官制度の記録)にも「神宮」と記される社が含まれていました。

明治時代以後は、国家や皇室との結びつきを背景に、既存の「神社」が「神宮」へ改称される例も見られました。ただし、すべての神社が「神宮」になれるわけではなく、改称には特別な由緒や許可が求められていました。特に戦前までは、「神宮」の社号を新たに名乗るには天皇の勅許(許可)が必要とされていた時期もあります。戦後、国家が神社を直接管理する制度は廃止されましたが、「神宮」の社号を持つ神社は今もなお、格式と伝統を重んじる神社として扱われています。

特徴と役割

神宮と呼ばれる神社には、以下のような特徴や役割があります。

  • 皇室・天皇ゆかりの祭神
    神宮は、天照大神や歴代天皇・皇族を祀ることが多く、皇室と深い関係をもっています。
  • 国家的・格式的な意味合い
    神宮は単なる地域信仰の場ではなく、政教・国家儀礼との結びつきを持つ神社としての性格も帯びています。
  • 社号の扱い
    神社本庁(日本の神社を統括する組織)では、「神宮」の社号を付される神社は、皇室や国家に関わる尊い由緒を持つものに限定されています。
  • 伝統と継承
    神宮では、祭礼や神事を通じて日本の伝統や神道の儀礼を受け継ぐ役割も果たしています。

現代における位置づけ

現代では、神宮は単に参拝地・観光地として多くの人に親しまれる一方で、歴史的・文化的価値が高い神社としても大切に保存されています。また、全国に複数の神宮が存在し、それぞれが地域と結びついた信仰や伝統を守っています。

「神宮」という名が付く神社を訪れる際には、その名称が示す格式や歴史性にも思いを馳せながら、参拝するとより深みを感じられるでしょう。

神宮の由来と歴史

「神宮」という呼び方は古代から存在していましたが、とくに伊勢神宮を中心として格式の高い神社に用いられるようになりました。

天皇の祖先神や皇室に縁の深い神を祀ることから、政治や国家運営とも密接に結びついてきたのです。

神宮一覧!全二十五社あります

以下に、全国にある神宮を表としてまとめました。

社名所在地
神宮(伊勢神宮)三重県伊勢市【10分でわかる】お伊勢参りとは?歴史や目的・理由をわかりやすく解説
北海道神宮北海道札幌市中央区
明治神宮東京都渋谷区
香取神宮千葉県香取市
鹿島神宮茨城県鹿嶋市
熱田神宮愛知県名古屋市熱田区東海道最大の宿場町「宮宿(みやしゅく)」|熱田神宮の門前町
氣比神宮福井県敦賀市気比神宮で御朱印をいただこう!由緒・御朱印帳・見どころ完全ガイド
水無瀬神宮大阪府三島郡島本町
白峯神宮京都府京都市上京区
平安神宮京都府京都市左京区
新日吉神宮京都府京都市東山区
橿原神宮奈良県橿原市
吉野神宮奈良県吉野郡吉野町
石上神宮奈良県天理市
國懸神宮和歌山県和歌山市
日前神宮和歌山県和歌山市
近江神宮滋賀県大津市
伊弉諾神宮兵庫県淡路市
赤間神宮山口県下関市
英彦山神宮福岡県田川郡添田町
宇佐神宮大分県宇佐市
宮崎神宮宮崎県宮崎市
鵜戸神宮宮崎県日南市
霧島神宮鹿児島県霧島市
鹿児島神宮鹿児島県霧島市

神宮と神社・大社との違い

神社や大社が地域の信仰や氏子に基づく場合が多いのに対し、神宮は国家的・皇室的な意味合いが強いのが特徴です。

大社が必ずしも「神宮」になるわけではなく、神宮は格式の上で特別な位置にあるといえます。

まとめ|「神宮とは?伊勢神宮だけじゃない“神宮”の意味と由来を解説」

神宮とは、皇室や国家と強い結びつきを持つ特別な神社の総称であり、日本の歴史や文化を理解するうえで欠かせない存在です。

伊勢神宮をはじめ、全国に点在する神宮を訪ねることで、日本人の信仰や伝統をより深く知ることができるでしょう。

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