長野県のほぼ真ん中、松本市と上田市にまたがって広がる美ヶ原高原。
標高およそ2,000mの台地は、夏でも涼しく、広々とした草原と360度の大パノラマが広がります。今回は、その美ヶ原をぐるっと一周する約12kmのハイキングコースを歩いてきました。
高山植物や放牧された牛たち、そして北アルプスや八ヶ岳まで見渡せる絶景を楽しみながらのロングトレイル。所要時間は写真や休憩込みで4〜5時間。まさに高原歩きの醍醐味が詰まった1日となりました。
美ヶ原高原ハイキングのルートと所要時間
今回歩いたのは「道の駅美ヶ原高原」発着の周回コース。
道の駅をスタートし、牛伏山→山本小屋ふる里館→百曲りコース→王ヶ鼻→王ヶ頭ホテル→道の駅という順で歩きます。
- 距離:約12km
- 所要時間:4〜5時間(休憩・撮影込み)
- 難易度:初級〜中級(アップダウンは少ないが距離がある)
真夏でも高原は気温20℃前後。朝や夕方は肌寒く、軽い防寒着が必要です。日差しも強いので帽子・サングラス・日焼け止めも忘れずに。


道の駅 美ヶ原高原に駐車してスタート!

朝8時過ぎ、道の駅美ヶ原高原に到着。
標高約2,000mにあるため、夏でも空気はひんやり。駐車場は広く、観光バスも数台停まっていました。売店では地元産のチーズやヨーグルトも売られています。
軽くストレッチをして、いよいよハイキングスタート。道の駅のすぐ裏手から草原の道が伸び、放牧された牛たちがのんびり草を食べています。鐘の音が風に乗って響く…そんなのどかな風景の中を歩き出します。

まずは標高1,989mの牛伏山を目指す


スタート直後はなだらかな登り。
20分ほどで牛伏山の山頂に到着します。頂上は草原が広がり、視界を遮るものは何もなし。北アルプスの槍ヶ岳や穂高連峰、南アルプス、そして遠く八ヶ岳まで一望できます。
明治時代の山火事によってこの景色が生まれたようです。

ここでしばし撮影タイム。朝の澄んだ空気の中、山々がくっきり見える景色はまさにご褒美です。

山本小屋ふる里館を経由して

牛伏山を下ると山本小屋ふる里館に到着。
ハイキングの拠点として有名で、売店やレストランがあります。ここで軽く水分補給。

ふる里館名物の高原ソフトクリームを食べながら、次の目的地・王ヶ鼻へ向けて再出発します。

途中にひとつだけトイレがありました。


百曲りコース(展望ルート)で王ヶ鼻を目指す!

ふる里館を出てしばらくすると、「百曲りコース」と呼ばれるジグザグの登りに入ります。
整備された道をくねくねと進むたび、景色が変わっていきます。左手には草原、右手には深い谷、そして正面には王ヶ頭のアンテナ群。

途中、小さな花々が咲き乱れ、時おり野鳥のさえずりが響きます。

風は涼しく、汗はかくものの不快さはゼロ。高原歩きの爽快感を存分に味わえます。


王ヶ頭を素通りして王ヶ鼻へ

百曲りコースを登りきると王ヶ頭ホテルが見えてきますが、ここは一旦素通りして王ヶ鼻へ。
王ヶ鼻は断崖絶壁の展望スポットで、標高2,034mからの眺望は圧巻です。眼下には松本の街、その向こうには北アルプスの稜線がくっきり。

この日も雲ひとつない青空で、槍ヶ岳の尖ったシルエットまで見えました。断崖の縁に立つと足がすくむほどですが、そのスリルもまた魅力のひとつです。




王ヶ頭ホテルで小休憩

王ヶ鼻から戻って王ヶ頭ホテルへ。
ここは宿泊施設ですが、日帰り客もカフェや売店を利用できます。窓際の席からは北アルプスと草原が一望でき、まるで額縁に収まった絵のような風景。

コーヒーを飲みながら外を眺めていると、時間がゆっくり流れていくのを感じます。ホテルの横からも放牧地が広がり、牛たちがのんびりと草をはむ姿が見られました。



王ヶ頭ホテルからは緩やかな下り道。
風景を楽しみながら歩いていると、やがて道の駅が見えてきます。出発から約4時間半、無事に一周達成。長距離ではありますが、整備された道と絶景のおかげで、終始楽しく歩けました。
まとめ

美ヶ原高原の周回ハイキングは、距離こそ長いものの、起伏が少なく初心者でも歩きやすいコースです。高原らしい爽快感、四方を囲む山々の大パノラマ、そして道中の小さな花々や牛たちとの出会い…そのすべてが特別な思い出になります。
季節ごとに景色も変わり、夏は高山植物、秋は黄金色の草原が広がります。次回は紅葉シーズンに訪れてみたいと思います。