日本各地に広がる街道は、歴史や文化を語る上で重要な役割を果たしてきました。
江戸時代に整備された五街道や古代からの重要な交通路が残り、今でもその足跡を辿ることができる観光地として多くの人に親しまれています。
本記事では、日本の主要な街道を一覧にして、その歴史的背景や旅の楽しさをわかりやすくご紹介します。
街道(かいどう)とは?
日本における街道の役割
街道とは、主に陸上の長距離移動を目的とした交通路のことで、古くは人や馬が利用するための道でした。
日本では、奈良時代や平安時代にかけて、国の統治や軍事の目的で整備され、特に江戸時代に大きく発展しました。商人や旅人が利用し、街道沿いには宿場町が発展し、文化や経済が栄えました。
▼街道に設置されている「宿場町」についてはこちら
日本で最初の街道「五畿七道」
「五畿七道(ごきしちどう)」は、古代日本における行政区分の一つで、奈良時代に整備されました。
「五畿」とは、当時の日本の中心地である京(平安京)の周辺の5つの地域(山城、大和、摂津、河内、和泉)を指し、「七道」は、その周辺地域に広がる主要な7つの街道を示します。
これらの街道は、国と国を結ぶ交通路として、軍事や行政、物流などさまざまな目的で利用されました。
▼同じ時代に定められた「律令制」を知ればもっと知識が深まるかも!
江戸時代に整備された五街道
江戸時代には、徳川幕府の命により五街道が整備されました。
これらの街道は江戸(現在の東京)を中心に広がり、当時の交通の要所でした。東海道や中山道などの主要街道は、政治や経済、文化の交流を支える重要なインフラとして機能しました。
日本の主要な街道一覧
街道といえば名前が上がる「五街道」について、5つの街道と詳細をご紹介します。
東海道(とうかいどう)
東海道は、日本で最も有名な街道で、江戸から京都までを結ぶ重要なルートです。
古くから宿場町が発展し、今でもその名残が各地に見られます。たとえば、静岡県の「三島宿」や「箱根宿」などは歴史的価値が高く、観光地としても人気です。
中山道(なかせんどう)
中山道は東海道と並ぶ主要街道で、内陸を通るルートです。長野県の「奈良井宿」や「馬籠宿」など、宿場町がそのままの形で残されており、江戸時代の風情を感じることができます。
甲州街道(こうしゅうかいどう)
甲州街道は、江戸から甲府、さらに信州へと続く街道です。
山梨県の甲府では、武田信玄の史跡が数多く残され、歴史好きにはたまらない街道です。
日光街道(にっこうかいどう)
日光街道は、江戸から日光東照宮へと続く街道で、徳川家康を祀る神社への参拝道として利用されました。
歴史的な名所が多く、特に日光東照宮は世界遺産にも登録されており、観光地としても有名です。
奥州街道(おうしゅうかいどう)
奥州街道は、東北地方へ向かう街道で、岩手県の平泉などの歴史的スポットを結んでいます。東北の風景と文化を楽しむことができるルートです。
その他の重要な街道
北国街道(ほっこくかいどう)
北国街道は、信濃(現在の長野県)から北陸(石川県や福井県)へと続く街道です。「北陸街道」と重複しているため、どこからどこまでかの定義ははっきりしていません。
特に「善光寺参り」や「上杉謙信の居城・春日山城」など、歴史的名所が多いルートとして知られています。
熊野古道(くまのこどう)
熊野古道は、紀伊半島を通る巡礼の道で、ユネスコ世界遺産にも登録されています。
日本で「古道」と聞くとまずは熊野古道をイメージする方が多いのではないでしょうか。
東山道(とうさんどう)
東山道は、奈良時代に整備された七道の一つで、近畿地方から東北地方までを結んだ重要な交通路です。
古代からの遺跡や史跡が点在しており、歴史的価値の高い街道です。
四国お遍路(おへんろ)
四国お遍路は、四国地方に位置する88ヶ所の霊場を巡礼する、日本で最も有名な巡礼路のひとつです。
この霊場巡りは、真言宗の開祖である弘法大師(空海)に深い縁があり、空海の修行の足跡をたどる形で行われます。
日本の有名・主要な街道一覧まとめ
日本の街道は、ただの交通路以上に、歴史や文化を紡ぐ重要な役割を果たしてきました。
それぞれの街道には、各地の風景や宿場町の風情が残っており、観光地としても多くの魅力があります。歴史好きな方や旅好きな方にとって、日本の街道を訪れることは、過去と現在をつなぐ特別な体験になるでしょう。
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