湯けむり漂う街並みと、古くから湯治場として親しまれてきた情緒あふれる温泉地・別府「鉄輪(かんなわ)温泉」。
観光地として有名な「地獄めぐり」ももちろん魅力ですが、今回はあえてそこには立ち寄らず、鉄輪の別の魅力を深掘りします。地元民にも愛される絶品とり天、鎌倉時代から続く伝統の蒸し湯体験など、ゆったりと温泉街を楽しめるスポットを厳選してご紹介します。
鉄輪(かんなわ)温泉とは?

大分県別府市の北部に位置する鉄輪温泉は、全国的にも珍しいほど多くの源泉を持つ温泉街です。
街を歩けば、あちこちからもうもうと湯けむりが立ちのぼり、温泉の香りとともに独特の風景が広がります。この景観は、別府を象徴する観光資源のひとつとして知られ、「別府八湯」の中でも特に歴史が深いエリアです。
別府八湯
- 浜脇温泉
- 別府温泉
- 観海寺温泉
- 堀田温泉
- 明礬温泉
- 鉄輪温泉
- 柴石温泉
- 亀川温泉
鉄輪の温泉文化は、鎌倉時代に一遍上人が温泉療養の場として整備したことに始まります。湯治客は長期滞在し、温泉で体を癒やしながら地元の食や交流を楽しんできました。現代でもその文化は色濃く残り、蒸し料理や共同浴場など、昔ながらの湯治場の雰囲気を味わうことができます。
鉄輪温泉グルメなら「とり天ぷら専門店里や鉄輪店」

別府のご当地グルメといえば「とり天」。
鶏肉に衣をつけて揚げ、ポン酢や酢醤油、辛子などでいただくこの料理は、大分県民のソウルフードと言っても過言ではありません。数ある店舗の中でも、観光客と地元民の両方から高い支持を得ているのが「とり天ぷら専門店 里や 鉄輪店」です。
このお店は、とり天一筋で勝負する専門店。注文を受けてから衣をつけ、サクサクに揚げるスタイルなので、常に揚げたてが楽しめます。噛むと衣の軽やかな食感の後に、ジューシーな鶏肉の旨味が広がり、付け合わせの大根おろしと特製タレがさっぱりと仕上げてくれます。
口コミでも「今まで食べたとり天の中で一番おいしい」と絶賛される声が多く、食べ歩きやランチにもおすすめです。店内は落ち着いた雰囲気で、家族連れから一人旅まで入りやすいのも魅力。地獄めぐり観光の喧騒を避け、ゆっくりと地元の味を堪能したい人にぴったりのスポットです。


鉄輪温泉で石菖の「鉄輪むし湯」

鉄輪に来たら、ぜひ体験してほしいのが「鉄輪むし湯」です。
これは、温泉の蒸気と薬草の香りに包まれる伝統的な蒸し風呂で、鎌倉時代の1276年に一遍上人によって創設されました。長い歴史を持つこの施設は、地元の人々や旅人の疲れを癒し続けてきた存在です。
むし湯の仕組みはとてもユニーク。床一面に敷き詰められた薬草「石菖(せきしょう)」が温泉の蒸気で温められ、その香りと温熱効果で心身をほぐします。石室の広さは約8畳ほどで、温度は比較的高め。入浴時間は8〜10分が目安ですが、その短時間でも大量の汗が流れ出て、デトックス効果を実感できます。
利用方法は簡単。まず券売機でチケットを購入し、浴衣(レンタルあり)や持参のTシャツ・短パンに着替えます。スタッフの案内で石室に入り、仰向けやうつ伏せでじんわりと蒸されます。蒸し湯を終えた後は、外の足湯や温泉でクールダウン。むし湯の入口には「足むし」という無料の足蒸しスペースもあり、時間がない人でも気軽に温泉の恵みを感じられます。


まとめ|鉄輪温泉の観光スポット
鉄輪温泉は「地獄めぐり」だけじゃありません。
湯けむりが立ちのぼる情緒豊かな街並みを歩きながら、地元グルメや伝統体験を楽しめば、より深くこの温泉地の魅力を味わえます。
今回ご紹介したスポットを振り返ると…
- 歴史ある湯治場「鉄輪温泉」の情緒あふれる街歩き
- 揚げたて絶品とり天が食べられる「里や 鉄輪店」
- 鎌倉時代から続く薬草蒸し風呂「鉄輪むし湯」
どれも、観光客だけでなく地元の人にも愛されるスポットばかりです。次に別府を訪れるときは、ぜひ“地獄めぐりなし”の鉄輪温泉散策を計画してみてください。静かで深い温泉文化の魅力に触れられるはずです。
▼大分県のノミチ記事はこちら